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お知らせ

セミナー開催報告 これからの小水力発電事業セミナー~水利権調整のノウハウ・小規模水力のモデル~

平成29年9月6日(水)郡山市民交流プラザ 第二会議室にて「これからの小水力発電事業セミナー~水利権調整のノウハウ・小規模水力のモデル~」を開催しました。小水力発電についての講演の後、グリーンファンドについて説明を伺いました。
企業、行政、土地改良区の方など45名の参加がありました。

 

■講演1 「小水力発電の開発のポイントと具体例」 

講師 株式会社工営エナジー 専務取締役 福田 真三 氏

・小水力発電は早く実施の可否を決めることが重要、初期コストを抑えるため既設の設備を利用するなど工夫する。

・事業を進めるポイントは電力会社との連系協議を早めに行うこと。負担金がいくらかによって事業採算性が左右される。

・自然災害の営業補償の保険に入ることも重要。3日以上止まったら営業補償してくれる等。

・小水力発電事業で得られる収入は設計で決まり、途中で売り上げを伸ばせるものではない。コスト(事業費)と収入(年間発電電力×買取金額)を見極める。

・採算性の指標は、いくつかあり、最近はIRRで評価することがあるが、以前は建設単価(投資額/年間発生電力量)で200円を切ればOK、250円までが事業可否のライン。但し、FITは発電規模で段階的に売電価格が決まるので検討が必要。IRRは%表示であり、発電設備の規模感が分からないのが欠点なので注意する。

・小水力発電は50年続く事業、蹴上発電所は100年以上継続して運転している。未来の人に引き継ぐことになるため事業後に更地(事業終了)にするのか更新するのかを最初に考える。必要な費用(更新、事業終了)も内部留保として取っておく必要がある。

・流量測定が非常に重要。概略検討では測水所データ(過去10年分)の流域比で算出。流量を測定(1年間、渇水期が重要)。

・農業用水路は許可水利権と慣行水利権に注意、かんがい期、非かんがい期では水量が大きく異なる場合があるので注意する。

・維持流量の検討も必要で特に景観と動植物の保護がポイント。対象は主に魚、特に希少生物がいる河川では事業ができないので予め確認しておく。

・水利権というのは総称であり、内容は河川法23条(流水の占用の許可)・第24条(土地の占用の許可)・第26条第1項(工作物の新築等の許可)になる。

・先行水利権がある場合、事業を行うには同意書が必要で、残った水を取水することになる。

㈱工営エナジー専務取締役福田様 講演の様子

 

 

 

■講演2 「水道施設等を利用した小水力発電の導入について」 

講師 東京発電株式会社 発電サービス事業部 水力発電サービス営業グループ マネージャー 和栗 淳 氏

・小水力発電の定義は1,000kW以下とするのが一般的。

・発電量は、発電量[kW]=9.8×落差[m]×流量[㎥/s]×変換効率※(※設備により変動0.2~0.75)で計算できる。30kWであればドラム缶2本半分(0.5t)の水が商業ビルの2階(9m)から流れているようなイメージ。

・事業の進め方について、できるだけ早く発電規模や発電機の仕様を決めて電力会社と協議する。連系費用が高額であれば事業採算性が見込めない。

・流量は時間によって変化する場合が多く、収入の見積りに影響するのでよく精査すること。

・農業用水路など側溝などの場合は流量測定の簡易的な測定は自分達でもできる、葉っぱを落として1秒間にどれだけ進んだかを計る等。しかし河川は専門家に任せる。

・水道施設等を利用した事例として、浄水場の配管にある減圧弁の損出エネルギーを水車に置き替える、ポンプによる送水圧残を利用する、減圧層を活用する、浄水場の地形の高低差を利用するなど水道施設を利用した小水力発電がある。

・農業用水を利用する場合は、非かんがい期で0.5㎥/s以上通年で通水、7m以上の高低差、200m以内に電力会社の電柱(上下に2組の3本線があるもの)、水路脇に管理道路(配管を敷設する際、有利)が目安となる。

・かんがい期のみに運転し、発電を止めるとした場合、稼働前の点検が必要になるなどコストがかかったりトラブルになったりすることがあるので注意する。

・小水力発電は維持管理が重要で、失敗している原因のひとつはゴミ処理であることがある。除塵機を設置するなど対処し、ゴミ処理を誰が担うのかゴミ処理の費用の確保も重要。

・台風が来た場合などの対処、停止することになるが、停止率がどれくらいかによって事業性が異なる。土砂が水車内に詰まるようなトラブルもあるので注意。そのようなトラブルが発生した場合に誰が担うのかを最初に決めておくこと。これが採算性の確保にもつながる。

東京発電㈱マネージャー和栗様 講演の様子

 

 

■案内 「グリーンファンドについて」

講師 一般社団法人グリーンファイナンス推進機構 川村 史典  氏

・グリーンファンドは、環境省からの地球温暖化防止対策税で基金をつくり、FIT事業等のCO2の削減が見込める事業を投資対象に出資している。

・地域主導の再生可能エネルギー事業で数億円を集めるのは難しい、融資を受ける場合は、手元資金で数億円用意するというのが一般的なのでDE(Debt借入、Equity資本)比で、水力であれば事業100に対し手元資金20~30ないと難しい、例えば3億円かかるプロジェクトであれば手元資金6千万円であるが、手元資金が足りない場合グリーンファンドで6千万円に届くよう出資する。

・事業のどのタイミングで出資できるかは一概には決まっていない。早いタイミングで相談してもらえれば有り難い。

・グリーンファンドの出資は総支出総額の1/2未満であるが、地域の関わりが強い事業に出資する「地域応援出資」では1/2以上出資する制度がある。要件は自治体からの出資または自治体が所有する設備の賃貸、新エネ社会構想に資する(計画に案件が載っているなど)事業になっている。

 

(一社)グリーンファイナンス推進機構 事業部ディレクター 川村様 講演の様子

 

 

 

代表理事あいさつ

 

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