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セミナー開催報告【新たな分散型再エネ社会の構築セミナー】
R4年2月8日(火)~2月15日(火)『新たな分散型再エネ社会の構築セミナー』をオンデマンド配信(録画配信 zoom)にて開催しました。
【受講者の感想(一部)】
「電力システム改革の流れと現状を知ることができました。」「VPP等の最新動向が理解出来、とても参考になりました。」
「再エネ導入拡大、地産地消のためのアグリゲーションの役割を再認識できました。」
「電力システムの変化や今後の進む方向等分かりやすい説明でした。」
■1「分散型再エネ社会の鍵-分散エネルギー資源のアグリゲーションとVPP -」
講師:早稲田大学 研究院教授 兼 スマート社会技術融合研究機構
事務局長 石井 英雄 氏
【主な講演内容】
・電力システムの激変(小売全面自由化、送配電部門の法的分離等)
・需給一体による再生可能エネルギー主力電源化
需給サイドの革新(フレキシブルな需要、ディマンドリスポンス(DR)(※1)とバーチャル・パワー・プラント (VPP)(※2)、
FITからFIP(※3)へ、新たなビジネス形態(エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)(※4)等))
・再生可能エネルギー・需要家まわりの政策の方向(分散・自家消費型の再エネ促進、地域活用電源、災害に強い分散システム、
アグリゲーターの市場参入と価値の流れ等)
・まとめ
◦カーボンニュートラルの宣言によって、エネルギー政策のギアが大きく上げられた。
◦再生可能エネルギー主力電源化に向けては、「需給一体」が一つの鍵。
◦エネルギー関連のデータ活用、これを伴うセクターカップリング(シェアリングの拡大&新たな価値の
創出)、技術的にはデータプラットフォームがアクティブなエリアになるだろう。
◦再エネのドライバー(駆動力)は何か。それは間違いなく「環境価値」
◦エネルギーの問題は3E+Sの不断の点検とグレードアップが肝要。
◦再エネ中心の世界に向けては、新たなコーディネーションが必要であるとの認識を共有することと、
これをリードするプレーヤーの出現と活躍を期待している。
(センター補足)
※1ディマンドリスポンス(DR)とは、需要家側エネルギーリソースの保有者もしくは第三者が、そのエネルギ
ーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させること。
※2バーチャルパワープラント(VPP)とは、需要家側エネルギーリソース、電力系統に直接接続されている発電
設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御(需要家側エネルギーリソースか
らの逆潮流も含む)することで、発電所と同等の機能を提供すること。
※3FIP制度とは「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の略称。FIT制度のように固定価格で買い取
るのではなく、再エネ発電事業者が卸市場などで売電したとき、その売電価格に対して一定のプレミアム
(補助額)を上乗せする制度。
※4エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)は、VPPやDRを用いて、一般送配電事業
者、小売電気事業者、需要家、再生可能エネルギー発電事業者といった取引先に対し、調整力、供給力、イ
ンバランス回避、電力料金削減、出力制御回避等の各種サービスを提供する事業のこと。
(※1、2、3、4:出所:資源エネルギー庁ホームページ VPP・DRとは)
■2 「地域共生再エネによる地産地消と地域貢献」
講師:株式会社まち未来製作所 代表取締役 青山 英明 氏
【主な講演内容】
・再生可能エネルギーの現状(一般的なFIT再エネ流通(環境価値、産地価値等の位置づけ)、FIT再エネ発電所の課題)
・地産地消の意義(理想的な地産地消、地域共生は発電事業者の価値も向上、地産地消の事例)
・グッドアラウンド(概要、最大のポイント)
・地域のメリット(地産地消を実現した事例、地域活性化資金、地域活性化の事例等)
・まとめ
◦脱炭素社会に向けて、再エネ大量導入は必須
◦再エネ大量導入には、地域の応援が不可欠
◦地域の応援には、再エネ事業と地域が共生できる枠組みが必要
◦枠組みのキーワードが地産地消と地域貢献
◦地産地消には他地域との連携が必須
◦他地域に販売するには、地域ブランディングが必要
◦販売ルートはFIT終了後に重要なインフラとなる
◦販売ルートを持っている地域は、再エネ投資が集まる
◦お金と電気の地域内循環を生む仕組み